リアルフィクション5

一期一会


「ああ、よろしく頼む、アシュラン。」

「はい、ショウド様。」

カイロは言った。

「よかったな。おいアシュラン、お前もう、人間が嫌いとか、死ねとか言わねぇ方がいいぞ?そうゆうもんは、心で思うもんだ。」

アシュランは言った。

「わかったよ。ショウド様の為に。じゃあ、私達は私達なりに薬を探すわ。
さらば。」

ショウドも軽く微笑み、言った。

「カイロ、蘊紀、そしてωよ、またどこかで会おう。」

ωは言った。

アシュラン、ショウドさん、俺らさ、きっとまた会えるよな。」

ショウドは言った。

「当たり前じゃないか。きっと、また会えるさ。」

「そう・・・だよな!じゃあ、また、アシュラン、ショウドさん!」

そして、ω達は、ショウドとアシュランと別れた。

ωは呟いた。

アシュランは、すごい奴だったよな。自分を犠牲にしてまでショウドさんを守るだなんてさ。」

カイロは言った。

「あぁ、あいつはすげぇ奴だったよ。俺がアシュランの立場だったら、守るべき人を守ってやれたかな・・・?」

ωは言った。

「守ってやれたかな、じゃなくて、守るんだろ。」

カイロは言った。


「でも、今は・・・まぁ、しょうがねぇよな。」

ωは言った。

「しょうがないなんて言葉でかたずけちゃ駄目だ。自分を・・・信じてみな?」

カイロは上を向いて、両手を太陽に向けてあげた。

「・・・アイツ、今、何してんだろ。笑ってんのかな。それとも、泣いてんのかな。笑ってたら・・・いいのにな。」

ωは微笑みながら言った。

「待ちくたびれてると思うぜ。はやく結婚したいよー。みたいなさ。カイロがむかえに来るの待ってるんだよ。きっと。」

カイロも微笑んだ。

「俺だって、はやく結婚してぇよ。」

ただ、蘊紀は一人、下を向き、歩き出そうとした瞬間。

《ドンッ!!》

「わっ!!」

蘊紀は、メガネをかけてるかっこいい17歳ぐらいの男の子とぶつかった。

男の子は、座り込んでいる蘊紀に声をかけた。

「ねぇ、大丈夫ー?ごめんねぇー?俺、【サン】って言うんだけど、キミはー?」

「わ、私は、ランフリー。私なら、大丈夫だよ、サン。ありがとう。」

男は微笑んだ。

「蘊紀か、可愛い名前だねー。
ねぇ、蘊紀、ぶつかっちゃったおわびしたいんだけどー?」

「おわびなんていいよー!大丈夫だから。ぜんぜん、気をつかわないで!」

二人のどこか楽しげな話しを聞いていたωは、心がもやもやして、蘊紀に話しかけた。

「ランフリー!も、もう行こう!」

「あっ、うん!じゃあね!サン!」

そんな時、カイロは顔をしかめていた。
蘊紀はカイロに聞いた。

「どうしたの?カイロ。」

その時、サンは少し目を細めて呟いた。

「ふーん。こいつがカイロかー。」

そして、カイロも言った。

「あぁ、なんだか、胸騒ぎがして・・・な。」

サンは突然、二人の話に入ってきた。