ロストメモリー 第二話
「お前は誰だ」
「気付いてたのかい?それならもっと早く声を掛けてくれよ、寂しかったじゃないか」
そう言って男は微笑した
「ストーカーなんて真似をしておいて、俺が素直に振り向くとでも思ったか?」
「まぁまぁ、そんなに怒らないでよ、その顔怖いよ?」
「馴れ馴れしく俺に話しかけるな、気持ち悪ぃ」
「気持ち悪いなんてひどいな、これでも顔は美形って言われるんだよ、僕」
「とりあえずお前が誰か教えろ、お前が美形だろうとどうでもいい」
「せっかちだな、君も、まぁこれ以上怒らせても嫌だし目的を話そうか」
「目的、だと?」
「あぁ、僕は君を、いや、詳しく言えば君の記憶を護衛する為にいる、それでせっかくだから挨拶をしに来たんだよ」
「やっぱりストーカーだろ、重症だな」
「ちょっ、それは無いよ、記憶の護衛とか見知らぬ男に言われたらそう思うかもしれないけど本当なんだって」
「はぁ、呆れたな、そろそろ行ってもいいか?」
「僕がその質問にイエスと答えると思うかい?」
「・・・無いな、まぁ話は分かった、お前は俺の記憶を護衛して挨拶に来たわけだ、それでストーキングしてたと」
「だからストーカーじゃないって、ひどいじゃないか」
「はいはい、とりあえずもう俺には関わるな」
「それは無理だ」
「は?」
男は急に真面目になり、
「君の記憶の奥にはある組織についての機密情報がインプットされてるんだ、組織にその情報が渡れば政府が危ない」
「そんな話信じられるかよ、大体俺なんてそこら辺に居る一般人だぜ?」
「それならなぜ君はあんなに酷いけがをした?しかも路地裏などで」
「・・・組織にやられたのか?俺は」
「あぁ、そうらしい、僕が付いていないばかりにそんなことになってしまったが、たまたま人が通って助けてくれたらしいね、運がよかったよ」
「でも俺、そんな訳も分からねえ組織に追われる筋合いなんてねぇぞ」
「本当になかったら襲われないさ」
「そっか、そうだよな、、、なぁ、俺死ぬのか?」
「だから僕が護衛に付くと言ってるだろ」
「しかしさっきは・・・」
「あの時は組織の動きを追っていてね、君にも目を付ければよかった」
「・・・そうか」
「まぁ君の事は僕が守るよ」